桶川壱番物語 ~桶川の遺産~
2012/01/14
Ⅲ日本に誇る、埼玉に誇る
ここでは、先に紹介したように世界に誇ってもいいのですが、例としては日本には他にもあるけれども、オラが町にはこんなものもあるよ、すっげーだろうと言った例について紹介したいと思います。
1)熊野神社古墳
この古墳の遺物の一部は、大陸にその起源が求められます。この4世紀第3四半期に築造されたこの古墳の本体は県指定文化財で、出土遺物は、国の重要文化財に指定されています。この古墳は荒川(旧入間川水系)に江川が注ぎ込む地点を南側に望む高台に占置しています。水運に強く関与した王様の墓かもしれません。蛇足ですが、5世紀に築造された上尾の殿山古墳も同様な立地です。
この古墳の特徴は、円墳という墳形とその大きさ(径約40m)、4世紀後半という築造時期(現地看板は5世紀初めになっています)、豊富な玉や銅製品の遺物にあろうと思います。
関東地域において、熊野神社古墳より多きな古墳は幾つもあります。行田の古墳もそうです。古い古墳で(古墳はみな古いのですが、4世紀~7世紀初め頃まで作られています。)は、前方後方墳と呼ばれる古墳があちこちにあります。埼玉県でも東松山市や県北に確認されており、埼玉県で最も古いと言われているのもこの墳形の鷺山古墳です。長野県の松本市の弘法山古墳もこの例です。しかし、この前方後方墳は、その規模の割に副葬品が非常に貧弱だといわれています。
山梨、静岡県より東側の地域において、古くて(4世紀代)、円墳で、立派な副葬品をもつといえば、桶川のこの熊野神社古墳ということなると思います。
古墳にはまだ発掘調査を実施していないために、内容が解からない例も多くあります。今後の調査によっては、もっと古い円墳が発見されるかもしれませんが、古くて(4世紀代)、円墳で、立派な副葬品をもつという点では、熊野神社を超えるのは難しいのではないでしょうか。
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