栃餅作りパート2

堀口 長治


 3年前から「縄文の食文化を知る」と銘打って栃餅作りを桶川地域文化研究会の仲間数人とやってきた。栃の実は非常にアクが強くてそのままでは食料にならない、でも縄文人は水で晒して喰っていたという。もっとも彼岸花の球根などは毒性が強いが、それさえも毒抜きをして喰っていたというからそれに比べたら大したことではないとも思えた、栃の実は毒ではない、えぐいだけだ。

檜枝岐産栃の実 だが、2年間全員がそのえぐいアク抜きに失敗、まぁまぁアクを抜くことに成功した人もいた、でも完璧ではなかった。

 3年目の去年秋、全員アク抜きに成功、私以外は檜枝岐や両神の土地で作っていた方法を真似てうまくいった。この方法は72度で煮て堅い表皮を剥いてから、水に「よく晒す」というもので、根気がいる。人間が横着で怠け者の私はそれが出来ない、そこで考えた、「いくら乾しても乾しすぎという事はないんだ」という檜枝岐のキチ子ばっちゃんの言葉。

 採集してから3ヶ月、カチンカチンになるまで乾した。そのあと加熱しないで、そのまま皮を剥いて5日間だけ水に浸けてまた乾した後、灰を被せ熱湯を湿る程度にかけ、発砲スチロールの箱で一晩寝かし、翌朝、熱湯をタップリ注いで終わり。この手抜きの方法が完璧にアク抜きに成功してた。12月29日、江森次郎家で餅つきをした。美味しい栃餅の完成だった。

 

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